海の現場で―
フリーフローの音が聞こえ振り返ると、セカンドステージをバシバシ叩いている
こんな風に
器材を構造的にみて気遣う側としては “タブーな行為” ですが、割とよく見かけます。
器材がフリーフローする原因はいくつかありますが、このようなシチュエーションで多いのが
” LPシートとオリフィスの当たり面ずれて空気の通り道ができている” ケース。
器材の運搬中、外部からの衝撃でずれが生じ、
フリーフローの症状が一時的に出るトラブルがあります。ですが、これは
故障ではありません。 故障と誤認されて
「オーバーホールが済んだばかりの器材がフリーフローして、そのあと止まったけど
診てください」というご連絡をいただくことが時折あるのですが、これであることが多い。
「叩いたらフリーフローが止まったよー」とのお声も数々。
それはラッキー、でも、なんで止まったかわかりますか?
”意図的に外部から衝撃を与えることで、シートとオリフィスが接地し
エアーの通り道が塞がれたから” です。
意味わかるでしょうか?文章に置き換えるのが難しい
このLPシート、2重に〇の跡がついているのがわかりますか?
(〇はオリフィスの刃先のあたり面)
薄い〇が見にくいので黄色でなぞってみますね。
薄い〇(黄色)はオーバーホール時にシートとオリフィスが接地していた箇所です。
お客様曰く、セッティングしたらフリーフローしたので叩いたら止まり、そのまま1年間使っていたそう。
つまり濃い〇は、ずれてたたいた後に接地した箇所というわけです。
何故、叩かない方がいいと申し上げたかといいますと
叩いたときにシートにキズが入ってしまったら、もう部品交換をしなければ
フリーフローが止まらなくなります。つまりその場ではもうそのレギュは使えないということですよね。
シートだとまだいいですが、シートとオリフィスの間に小石や砂粒がかんでいた場合
オリフィスの刃先を傷つける可能性もあります。
無駄に高額なパーツを交換しなければならなくなるというわけです。
わけがわからずモノを叩くということは、ダイビング器材に限らず
いいこととはいえないですよね
もっと器材の構造を理解して使っていただけたらいいのになー
とそんな光景を見る度にそう思います。
ずれの戻し方は、担当インストラクターや販売店スタッフの方にご確認ください。
“器材を傷めない、適切な方法” があります。
当店では、
器材講習 のなかでご案内をさせていただいております。
一般ダイバーの方だけでなく、インストラクターの方も受講してくださったこともあり
目から鱗だと好評をいただいております。
現場で役立つ知識とスキルを身につけることができる内容の講習に
なっておりますので、是非機会があればご活用ください
ダイビング器材&オーバーホールのエキスパート i buddy アイバディhttp://www.i-buddy.net
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